【秋の味覚で楽しむ!栗と黒糖の小さなブール】
秋が深まると、栗や黒糖といった季節感あふれる食材がますます魅力的になります。今回ご紹介するのは、オーバーナイト発酵を活用した「栗と黒糖の小さなブール」です。しっとりふんわりとした食感と、黒糖の深いコク、栗の自然な甘さが口の中で広がり、贅沢な味わいを楽しめる一品です。手間をかけずに翌朝には焼き立てのパンが楽しめるこのレシピは、忙しい日々でも気軽に挑戦できるので、ぜひ試してみてください!
【材料】(小さなブール6個分)
【作り方】
1. 材料を計量する
まず、すべての材料を正確に計量します。栗はお好みでマロングラッセや甘栗を使用できますが、60gを目安にしてください。甘栗を使用する場合は、軽く刻んでおくと生地に均等に混ざりやすくなります。黒糖は固形のものを使用します。固形のものを使うことによって、焼いた時に黒糖がキャラメリゼされて、美味しいです。
2. 生地を作る
大きめのタッパーに準強力粉、塩、インスタントイースト、モルトパウダーを入れて軽く混ぜ合わせます。そこに水を加え、ゴムベラや手で全体がひとまとまりになるまで混ぜます。粉気がなくなり生地がまとまってきたら、タッパーのフタをして室温で1時間休ませます(オートリーズといいます)
3. 一次発酵(オーバーナイト発酵)
生地を休ませて後、一度タッパーから取り出し、折りたたんでもう一度タッパーに戻します。それを冷蔵庫で8~12時間、オーバーナイト発酵させます。時間をかけてゆっくり発酵させることで、生地に深みのある味わいが生まれます。
6.復温
翌朝、冷蔵庫でオーバーナイト発酵させた生地は、成形前に室温に戻す時間が必要です。冷蔵庫から出した生地は冷たくなっているため、約30分〜1時間程度、室温(20〜25℃が目安)で生地を休ませてください。この間に生地の温度が均一になり、成形がしやすくなります。
生地が冷たいままだと、発酵が進みにくく、焼き上がりにも影響するので、しっかり復温させてから次の工程に進みましょう。
7.折り込み
【マロングラッセと黒糖の折り込み手順】
- 手で生地を伸ばす
めん棒を使わず、手で生地を伸ばすときは、軽く手のひらや指を使って、優しく生地を押し広げていきます。力を入れすぎないよう注意し、均等な厚さになるように少しずつ広げていきます。めん棒ほど均一にはならないかもしれませんが、自然な伸ばし方で生地に柔らかさが残ります。 - マロングラッセと黒糖を散らす
伸ばした生地の中心にマロングラッセと黒糖を半量手で散らします。この時、手で伸ばした生地はやや厚みが残るため、具材をやや少なめにすると折り込みやすくなります。 - 三つ折り1回目
具材を覆い被すように中心に向かって折り、その上に残りの具材を手で広げます。手での作業なので、ややざっくりとした折り方になるかもしれませんが、生地に柔らかい風合いが残ります。 - 三つ折り2回目
再び手で三つ折りを行います。2回目は手前から1/3を折り、生地を張らせるように巻きます。 - 最終成形へ
めん棒を使わないことで、生地に少し厚みが残り、ふんわりとした仕上がりになります。最終的な成形も手で行い、柔らかく丸めたり、軽く押して好みの形に仕上げます。
【結果的な違い】
- 仕上がりの食感:手で伸ばすと生地にふんわりとした柔らかさが残り、最終的なブールの仕上がりが少し厚みのある、もちっとした食感になります。
- 見た目の仕上がり:めん棒で均一に伸ばすよりも、ややざっくりとした見た目になりますが、素朴で家庭的な風合いが出ます。
6. 分割とベンチタイム
生地が目安の温度になったことを確認します。軽くガス抜きをして6等分に分割します。それぞれの生地を丸めて、乾燥しないように軽く布巾をかけて20分ほど休ませます(ベンチタイム)。この間に生地の緊張がほぐれ、成形しやすくなります。
6. 成形と二次発酵
ベンチタイムが終わったら、再度生地を丸めて成形します。丸めた生地の表面に強力粉を付けてクッキングシートを敷いた天板に並べ、乾燥しないように濡れ布巾やラップをかけて室温で二次発酵させます。約1時間ほどで生地がふっくらと膨らんだら、二次発酵は完了です。
7. 焼成
オーブンを240℃に予熱しておきます。発酵が完了した生地の表面にクープ(切り込み、クープの形はどんな形でも大丈夫です)を入れ、オーブンに入れて、15回ほど霧吹きをかけて、240℃のオーブンで約15~18分焼き上げます。焼き色が均等に付き、香ばしい香りが漂ってきたら完成です。
【仕上げのポイント】
栗の選び方
マロングラッセを使うことで贅沢な甘さをプラスできますが、よりヘルシーに仕上げたい場合は甘栗を選ぶのがおすすめです。甘栗は自然な甘さが特徴で、パン全体のバランスを保ちながら栗の風味を楽しむことができます。しっかりとした栗の食感がアクセントになり、ブールの中に程よい存在感を持たせます。
黒糖の使い方
黒糖は砂糖と比べて風味が強く、パン生地に独特のコクと深みを与えます。今回のレシピでは黒糖を少量使うことで、生地全体の甘さを抑えつつも、栗の甘みを引き立てるバランスに仕上げています。固形の黒糖を使用すると、焼くときの黒糖がキャラメリゼされサクっと美味しく仕上がります。
【オーバーナイト発酵のメリット】
オーバーナイト発酵は、時間をかけて生地を発酵させることで、味わいが深くなるだけでなく、忙しい日常でも無理なくパン作りを楽しめる方法です。夜に生地を仕込んで冷蔵庫に入れておくだけで、翌朝にはすぐに成形して焼き上げられるので、朝食に焼きたてのパンを楽しむことができます。
また、オーバーナイト発酵では低温でゆっくりと発酵が進むため、イーストの働きが控えめになり、イースト特有の匂いが少なくなります。その結果、パンの風味がより一層引き立ち、しっとりとした食感が生まれます。
【このパンの楽しみ方】
焼き上がりの黒糖と栗の小さなブールは、そのままでももちろん美味しいですが、少しバターを塗って食べるとさらに風味が引き立ちます。黒糖のコクがバターと相性抜群で、栗の甘みもより一層感じられます。また、軽くトーストしてからハチミツをかけても、贅沢な朝食やティータイムにぴったりです。
さらに、甘いトッピングだけでなく、クリームチーズやハムなどの塩気のある具材ともよく合います。栗の風味が優しく包み込むので、甘さと塩気のバランスが絶妙な味わいを楽しむことができます。
【まとめ】
黒糖と栗を使ったオーバーナイト発酵の小さなブールは、手軽に作れる上に、秋の味覚を存分に楽しめる贅沢な一品です。冷蔵庫でじっくりと発酵させることで、翌朝には焼きたての香ばしいパンが楽しめます。栗の甘さと黒糖の深い風味が口いっぱいに広がり、一口食べれば秋の季節感を存分に感じることができるでしょう。
忙しい日々の中でも、簡単に贅沢なパン作りを楽しめるこのレシピ。ぜひ秋の朝食やティータイムに、黒糖と栗の小さなブールをお試しください!